創業20年、鮭専門から広がった信頼の味
築地魚河岸の一角にある仲代は、20年前に現社長が鮭専門店から独立して創業しました。もともとは鮭一筋から始まり、今では鮭や魚卵、珍味など、多彩な海産物を扱う仲卸として知られています。
店舗は築地と豊洲の2拠点体制。豊洲店では量販スーパーや寿司店、魚屋など業務用のお客様に向け、鮭や魚卵を箱単位で販売しています。一方、築地店では豊洲から届いた品を解凍・小分けし、家庭用として販売。市場ならではの新鮮な魚介を「欲しい分だけ」買えるのが魅力で、常連のお客様が今日の食卓に合わせて切り身やパックを選ぶ姿が日常風景です。
家族経営の温かみと、プロの目利きによる確かな品質。仲代は、その両方を兼ね備えた信頼の店として、築地の中でも根強いファンを持っています。
年に一度の勝負 ― カナダ産 天然 鮭
仲代の看板商品は、カナダ産の天然鮭。カナダでは自然保護のために漁獲量が政府によって厳格に管理されており、年に一度しか漁が解禁されません。8月頃に現地の商社が漁期に合わせてカナダへ赴き、一尾一尾を目利き。脂のりや身の張りを見極め、「仲代向け」と判断された鮭だけが選ばれます。獲れてからすぐの9月、10月頃が食べ頃です。
カナダ産の鮭は脂が豊かで、身はふっくらと厚みがあり、焼くと脂がじゅわっと溶け出します。仲代さんは「これを食べたら他の鮭は食べられない」と自信を持って語ります。20年間同じ商社と取引を続け、品質と安定供給を守り続けてきました。
仕入れた鮭は、マイナス50℃の超低温冷凍庫で保管します。通常の冷凍はマイナス25℃ですが、この低温管理によって一年間味や風味が変わることなく維持されます。コストは高くても「一年中変わらない美味しさ」を提供するためのこだわりです。
熟成が生む旨み ― アラスカ産 天然 筋子
鮭と並んで人気なのが、アラスカ産の筋子。紅鮭の卵を使用し、こちらも天然物にこだわっています。年に一度の漁期に合わせ、まず航空便で7〜8種類のサンプルを取り寄せて試食。その年の最良品を決め、選ばれた筋子は船便で大量輸送されます。 その後船で2〜3か月かけて運ばれる間に、自然な熟成が進みます。
塩と卵がなじみ、味わいがまろやかになるのは仕入れから半年後の11月前後。この時期が筋子の食べ頃です。 仲代ではA〜Eまでランク付けされた筋子を一括で買い取り、用途に応じて高級店や一般消費者に振り分けます。ランクによる違いは粒の大きさだけで、味は同じ。
鮭と並んで人気なのが、アラスカ産の筋子。紅鮭の卵を使用し、こちらも天然物にこだわっています。年に一度の漁期に合わせ、まず航空便で7〜8種類のサンプルを取り寄せて試食。その年の最良品を決め、選ばれた筋子は船便で大量輸送されます。 その後船で2〜3か月かけて運ばれる間に、自然な熟成が進みます。
塩と卵がなじみ、味わいがまろやかになるのは仕入れから半年後の11月前後。この時期が筋子の食べ頃です。 仲代ではA〜Eまでランク付けされた筋子を一括で買い取り、用途に応じて高級店や一般消費者に振り分けます。ランクによる違いは粒の大きさだけで、味は同じ。
冬だけの贅沢 ― 北海道産 たらこ
11月から1月までの3か月限定で登場する北海道産のたらこも、仲代のおすすめ。輸入品の多くは二度冷凍(ツーフローズン)されるため解凍時に旨み成分のドリップが出やすく、食感や風味が損なわれます。一方、北海道産は一度だけの冷凍(ワンフローズン)なので、ぷりっとした粒感と濃厚な旨みが保たれます。
この時期を知る常連客が毎年買い求め、入荷からあっという間に完売。希少で限られた量しか出回らないため、「冬の贅沢」として楽しみに待つファンが多い商品です。
幻の味 ― 天然 子持ち昆布
7月が1番の食べ頃のアラスカ産とカナダ産の子持ち昆布。ニシンの卵を昆布に自然に付着させる昔ながらの製法で作られ、希少価値の高い一品です。
かつては十分な量を確保できていましたが、近年は生産者の減少や採算性の低下により急減。今では年間750kgほどしか入手できず、その大半は寿司店やスーパーなど業務用に回ります。ここ2年ほどは店頭に並ぶことが難しくなっており、一般のお客様が出会えるのは本当に稀です。
品数が限られるからこそ、店頭でお取り扱いがある際は是非お買い求めください。
7月が1番の食べ頃のアラスカ産とカナダ産の子持ち昆布。ニシンの卵を昆布に自然に付着させる昔ながらの製法で作られ、希少価値の高い一品です。
かつては十分な量を確保できていましたが、近年は生産者の減少や採算性の低下により急減。今では年間750kgほどしか入手できず、その大半は寿司店やスーパーなど業務用に回ります。ここ2年ほどは店頭に並ぶことが難しくなっており、一般のお客様が出会えるのは本当に稀です。
品数が限られるからこそ、店頭でお取り扱いがある際は是非お買い求めください。
品質を守るための徹底管理
仲代の大きな特徴は、天然物だけを扱うという姿勢です。養殖魚のように必要なときに仕入れられるわけではなく、年一度の漁で確保した在庫を一年間かけて販売します。そのため、品質保持のための保管方法が重要になります。
同店では、品質を保つためにマイナス50℃の超低温で鮭や魚卵を保管。通常のマイナス25℃では3か月ほどで油焼けや臭みが出始めますが、50℃なら一年間鮮度を保つことができます。
この徹底管理はコストも手間もかかりますが、「いつ来ても変わらない味」を提供するためには欠かせません。お客様から納得してリピートする方が多いのは、その価値を実感しているからです。
店主からのメッセージ
「うちは天然物を扱っているため一年に一回の勝負なんです。そのために現地との信頼関係を築き、品質を守るための設備や手間を惜しみません。高いと思われるかもしれませんが、それ以上の価値がある商品だけをお届けしています。」
量が限られるからこそ、広く宣伝することはせず、品質を理解してくれるお客様へ丁寧に届ける。仲代の味は、そんな職人の誇りと真心から生まれています。築地で新鮮な魚介を探すなら、プロの目利きが選んだこの店の逸品を、ぜひ一度味わってみてください。