京富
京富は、築地魚河岸の中でも歴史の長い仲卸のひとつです。
5代目の門井さんが40年にのぼる目利きでプロに向けた魚介を扱う一方、一般の方が魚に親しむための活動もしています。今回は、そんな京富のおすすめ商品や、門井さんが描く「築地の姿」について伺いました。
京富のなりたちと特徴
京富のなりたちは、関東大震災以前の日本橋に市場があったころに遡ります。創業当初から魚屋さん向けに魚介を卸し、長年「プロのための魚」を届けてきました。現在は、寿司屋や料理屋などの飲食店が中心の豊洲市場と、飲食店と一般の方が訪れる築地魚河岸の2ヶ所に拠点を構えています。
アジや鯛などの鮮魚のほか、あわび、牡蠣、ホタテの貝類などの定番を中心に、家庭でも使いやすいサイズで扱っているのが特徴です。
京富で買いたいおすすめ品

真ダコ
京富で人気のひとつが真ダコ。やや小ぶりな足を4本パックにして販売しており、そのまま食べてもよし、刻んで料理に使ってもよしと使い勝手抜群。おかずにも酒の肴にもぴったりです。

マグロ柵
隠れた人気なのがマグロ柵。通常の柵なら数千円する天然本マグロを、1,000円以内で買えるミニサイズにしたものです。1〜2人前にちょうどよい分量で、気軽にマグロを楽しみたい方におすすめ。

光り物(イワシ・小肌)
門井さん自身の好物でもある光り物。イワシや小肌など、刺身で食べられるものが店頭に並びます。選んでいるのは、好みでもある「水気が少なく、脂がしっかりのったもの」。
信頼で通ってもらう店でありたい理由
京富は、昔の商店街で見たような懐かしさを感じるスタイル。
対面式の店内では、頭に手拭いを巻いた門井さんとスタッフが、黙々と魚を並べます。商品値札もまばらで、初めての人は声をかけるのを少し躊躇するかもしれません。けれども門井さんによれば、プロ相手に恥じない魚を扱い、信用で成り立つ関係を守るという理念があるのだそう。
「プロが良い魚を求めて来る店作りにしたいので、少し近寄りがたい雰囲気になっている。見た目ではなく、品質を信頼して通ってくれるお客さんを大切にしたい」
東京・八重洲に生まれ、現在は住まいも商売も築地にあるという門井さん。江戸気質のある歯切れのいい物言いの奥に、「プロが納得するいい魚を届けたい」という仲卸のプロ意識があります。
その一方で、お客さんから相談されたときは、板前修行の経験を活かして魚の保存方法や食べ方のコツを教えてくれることも。一見強面な見た目とは裏腹な優しさに、買い物だけでない人情の温かさを感じられる場所でもあるのです。
築地を一般の人も楽しむために 京富の枠を超えた活動
門井さんは、仕入れや店頭販売以外にも、「築地魚河岸の事業部長」「NPO築地食のまちづくり協議会の理事・セミナー部会長」「築地波除神社の築地六丁目睦会長」など、築地を盛り上げる役目をしています。そんな数ある活動のひとつが「初めての魚のさばき方講座」。スーパーの切り身魚しか買ったことがない初心者の方でも丸の魚が捌けるように、門井さんが講師を務める講座です。包丁さばきを直接教えてくれるとあってリピーターも多く、毎回募集開始30分でセミナーが満席になるのだそう。
門井さんにとって、魚を広めることはプロへの商売と同じくらい原動力となる活動なのかもしれません。
40年近く過ごして思う 築地の今とこれから
学生時代から魚の世界に飛び込んだ門井さんは、気づけば40年近く市場に立ち続けてきたといいます。続けてこられた理由を尋ねて返ってきたのは、「魚が好きだから」というシンプルな言葉。
京富の代表として日々魚に触れて感じるのは、「旬の時期だからといって、必ずしもおいしいとは限らない」ということ。“ 日本の台所”とも呼ばれた築地で40年魚を見ているからこそ、旬や産地に捉われず、良いものを瞬時に見抜く力が鍛え抜かれています。
最後に築地がどんな場所であってほしいかと聞いたところ、プロが本気で買い物に来る場所であることと即答。プロが来るからこそ、一般の人や観光客も来るという理念が根底にあるそうです。
2018年の豊洲移転から、インバウンドの増加、市場跡地の再開発と変化がめまぐるしい築地。40年近くここに立つ一人として、「プロが来る街として地に足つけてないと」と話す一言が印象的でした。
京富からのメッセージ
寿司屋などのプロが扱う品質の魚介を扱っています。
築地までのアクセスが難しい飲食店の方、雨などで買い物が難しい一般の方もぜひサブちゃんでご利用ください。